映画『GUNDA / グンダ』を映画館で観てきました~(o^―^o)。
とてもよかったので、2回も観に行ってしまいました!この記事を読むと、『GUNDA / グンダ』という映画がどんな映画なのかよく分かります(ネタばれなし)。読んだ後には、「観てみたい!」という気持ちになるかと思います。
2回も映画館に足を運んでしまった私がおすすめします~!
以下に興味のある方に、特におすすめです!
エシカル、アニマルライツ、アニマルウェルフェア、オーガニック、環境問題、動物、家畜動物、ドキュメンタリー。日常をしばし忘れたい方、都会の喧騒から離れたい方、癒しを求めている方、疲れている方にも。
『GUNDA / グンダ』とは
「驚異の映像美と臨場感で迫る、究極の映像体験。世界の名だたる映画作家が大絶賛の傑作ドキュメンタリー!」です。2020年に制作された、ヴィクトル・コサコフスキー監督によるアメリカ・ノルウェーの合作映画(93分)。農場に暮らす家畜動物たちの日常を綴っています。全編がモノクロ映像で、ナレーションや音楽が一切ありません。人間も出てきません。余分な情報を削ぎ落した映像の美しさに圧倒されます。家畜動物たちの力強さ、人間と同じような感情を持っているのではないかという眼差し、彼らの会話が聞こえてきそうな作品です。
作品のおすすめポイント
都会から離れた農場で、自由に暮らしている家畜動物たちの日常世界を体感できます。しばし時を忘れて、その世界に入り込めます。温かく柔らかい日差しに目を細めて、風の音を聞いて、彼らを見つめ、同じ地球の上で自らも生かされている生命の不思議さを思うかもしれません。
あらすじ
ある農場に、GUNDA / グンダという名前のお母さん豚が暮らしています。グンダが小屋の中で生まれたての子豚達にお乳を上げているシーンから映画は始まり、グンダの子育てと子豚たちの成長を中心に映画は進んでいきます。よちよち歩きの子供達と広い放牧地へ出て駆け回ったり、餌を探すのを教えたり。穏やかで平和な環境の中、自由に子豚達は育っていきます。他の家畜動物たちも登場します。片足しかない、でも一本脚で力強く地面に立つニワトリや、尻尾でハエを追い払う牛達。動物達の日常が描かれます。やがて子豚達は成長し……。
感想
久しぶりに心揺さぶられる映画に出会えました。
美しい映像に圧倒されました。音楽もナレーションも一切なくて、人間も出てきません。余分なものを削ぎ取ったあとには、大切なものだけが残るんだと思いました。
動物たちの鳴き声、鳥のさえずり、風の吹き抜ける音、蠅の羽音が、平穏な農場の日常を感じさせ、懐かしいような穏やか気持ちになりました。言葉はないけれど動物たちの会話が聞こえてくるようでした。映画を「観る」というより、そこに自分がいて体験しているような感覚でした。
最初の方は、赤ちゃん豚の愛らしさにほんわかしました。本当に可愛らしくて。対照的に、ラストは切なかったです。お母さん豚グンダの行動に胸が締め付けられました。「あー、動物も人間と同じなのだ」と思いました。
ちなみに一般的にあまりイメージのよくない豚ですが、実は知能が高く、喜怒哀楽の感情を持ち、きれい好きで、社会性が高い動物です。また、イヌよりも知能が高く、鏡を認識できる数少ない動物です。人間の3歳児並みの知能を持っていると言われています。イギリスなどではペットに飼う人もいます。また、体重や内臓の大きさが人間に近いため、臓器提供用動物としての研究も進んでいるそうです。
だからこそ、なぜだろうという思いが浮かびました。個人的には、豚がどうしてそんなにイメージを落とされているのか不思議に思います。そんな彼らが人間にこれ程の扱いを受けている現実と、同じ生き物として、その違いはそれ程大きいのだろうかと口惜しい気さえして、さすがにアニマルライツを思ってしまいました。
ヴィクトル・コサコフスキー監督は言っています。「本作に登場する動物達を感情を持つ存在として見てほしい、彼らの意識や自我の可能性について考えてみてほしい」と。
映画館からの帰り道、いろいろな思いが浮かんできました。家畜動物と人間の関係、家畜動物達のしあわせとは?など......。
久しぶりに映画館で一人でじっくり映画を見ました。どうしてももう一度観たいと思い、2度足を運びました。そんな気持ちになるなんてここ数年なかったなと振り返って、この映画を観ることができてよかったなーと思いました。
海外や日本での作品の評価
・ 第70回 ベルリン国際映画祭 エンカウンターズ部門 正式出品
・ 第93回 アカデミー賞 長編ドキュメンタリー映画賞 ショートリスト
・ 第58回 ニューヨーク映画祭 正式出品
・ 第37回 ノルウェー・アカデミー賞 最優秀撮影賞&最優秀音響デザイン賞_W受賞
・ 第31回 ストックホルム映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞 受賞
・ 第25回 ソフィア国際映画祭 ドキュメンタリー審査員特別賞 受賞
・ 第24回 ロシア映画批評家協会賞 最優秀ドキュメンタリー賞 受賞
・ 第16回 ダブリン映画批評家協会賞 最優秀撮影賞 受賞
・ 第13回 シネマ・アイ・オナーズ The Unforgettables 受賞
作品のトリビア
✔ ヴィクトル・コサコフスキー監督(ロシア出身)は、“最も革新的なドキュメンタリー作家”と称され、これまでに国内外で 100 以上の映画賞を受賞しています。
監督のコメント:
・私達が地球を共有している生き物たちについての映画をずっと作りたいと思ってきた。
・彼らを見下したり、擬人化したりはしない。
・感傷的に表現するのは避けて、ヴィーガンのプロパガンダにならない映画を目指した。
・私達が普段見逃しているかもしれないことをカメラで見せられないかチャレンジした。
・モノクロで表現したのは、「映画」の原点に立ち返り、ビジュアルよりも魂に焦点を当てることができると感じたから。
✔ エグゼクティブ・プロデューサーは「ジョーカー」で主演を務めた俳優ホアキン・フェニックス。徹底的なヴィーガンとして有名。彼のお兄さんはリバー・フェニックスさん(享年23歳)。お兄さんもベジタリアンでした。『スタンド・バイ・ミー』に出演して当時一世を風靡した素晴らしい俳優さんでした。私はリバーさんの大ファンでした!(これは別記事で)
✔ 一般的にかわいいとされる動物の映画ではなかったため資金調達が大変で、制作を引き受けてくれる会社が見つかるまで構想から30年もかかったそうです。
✔ 成田祐輔さんが、グンダのTシャツ着てました!感激♡
気になる方は以下もどうぞ♡
【『GUNDA/グンダ』オフィシャルサイト】
『GUNDA/グンダ』の予告編が見られます。
【『GUNDA/グンダ』オフィシャルサイト】劇場情報
全国の劇場情報が得られます。これからロードショーされる都市もあります!(残念ながら、首都圏など多くの劇場での上映は終了してしまいましたが) →現在、全国3ヵ所で放映しています。お近くの方は足を運んでみては?
https://bitters.co.jp/GUNDA/theater.html
【シネマサロン 映画業界ヒットの裏側】
「新作映画レビュー『GUNDA グンダ』・・・独自固有 解釈自由」
認定NPO法人アニマルライツセンター
認定NPO法人アニマルライツセンターのリンク先です。動物への非倫理的扱いをなくし、動物が動物らしくいられるような権利と尊厳を守る活動を通し、人と動物が穏やかに共存する社会を目指している、1987年に設立された非営利団体です。
とてもおすすめな映画です。
気になりましたら、是非映画館に足を運んでみてください!